市場が動いていないので、自分用の復習用として昨日に続いてJ-REITについて書いていきます。
今回はJ-REITの個別銘柄を選ぶための項目を列挙していきます。
内容としては以下の通りです。
①NOI利回りで資産効率をチェック
②LTV(借入金利率)で資本効率と財務健全性をチェック
③NAV倍率で割安かどうかをチェック
④時価総額
⑤分配金の実績と今後の予想分配金利回り
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①NOI利回りで資産効率をチェック
企業の資産効率を判断するのに、ROA(総資産利益率)を使用することが多いですが、J-REITの場合は不動産の利回りを示す指標であるNOI(Net Operating Income:純収益)利回りを使用することが多いようです。
J-REITは保有不動産の利回りが高ければ高いほど、投資家への分配金の原資が多くなります。90%以上を投資家に分配する必要があるのでなおさらです。
NOIは 【 NOI=賃貸収益+原価償却費 】で算出します。
NOI利回りは 【 NOI利回り=NOI÷不動産簿価 】で算出します。
②LTV (借入金比率)で資本効率と財務健全性をチェック
J-REITは資本効率を高めるのに借入金によってレバレッジ効果を効かせています。この借入金比率(LTV:Loan To Value)を投資指標として使用します。
LTVは【 LTV=借入金÷総資産 】で算出します。
LTVは銘柄間の比較を行う場合や物件を取得する余地を確認するのに利用します。
LTVが高い銘柄は、レバレッジ効果を高く利用している銘柄で、結果として資本効率を高めて1口当たりの分配金を高めになることにつながります。
注意点としては、借入金の依存度が高いため、利子などの金融状態の良し悪しが借入金の調達コストに響いてくる点です。
また、各銘柄は規約でLTVの上限を決めています。上限比率に近づいている銘柄は借入可能な金額が少なくなるので、物件取得の余地が少なくなっている銘柄となります。物件取得する際には増資が必要になってくる可能性があります。
反対に、LTVが低い銘柄はまだまだ物件取得の余地がある銘柄で、分配金増加の可能性もあるということになります。
③NAV倍率で割安かどうかをチェック
不動産の含み損益を反映させた指標であるNAV(Net Asset Value)倍率を使用します。
NAVは投資信託の純資産総額のことで、投資信託のバランスシートの資産から負債を差し引いた金額で、それを単位口数に換算したものが基準価額になります。
このNAV倍率が低い方が割安感が高いといえます。
NAV倍率は 【 NAV倍率=REITの市場価格÷1口当たりのNAV(純資産総額±含み損益)÷投資口数 】で算出します。
④時価総額をチェック
時価総額が大きく流動性が高いことは、株式投資の判断と同様に、重要です。
外国人投資家の判断にも大きな影響を与えていると思われます。
⑤分配金の実績と今後の予想分配金利回り
高い分配金が魅力のJ-REITに投資しようとしているのですから、安定的かつ高い分配金が得られるかどうかは重要です。決算短信などの開示資料をよく読んで判断する必要があります。
上記の指標を確認して選んでいくのですが、
・予想分配金利回り 5%以上
・NAV倍率 1以下
また、できるだけリスク分散のことを考えたいので、
・総合型 または 複合型
で、まずは1回目のセレクションをかけて選んでいきたいと思います。
今日はこれまでで、続きは別日に。